オリオンコンピュータ(株) 代表取締役 石川尚子氏

「お客様に寄り添い」20年

 わずか3台のパソコンでパソコン教室をスタートさせてから、今年で20年の節目を迎える。現在は、パソコン教室のみならず、システム開発、ホームページ作成、各種検定試験会場の運営、アジアからの留学生などを対象としたIT専門学校の経営まで幅広く事業を展開している。

 「小さな事務所を借りて細々と起業しましたが、お客様のご要望にお応えしていくうちに事業が少しずつ広がっていきました。今年も自分たちの立ち位置を確認しながら、お客様の困りごとを解決するお手伝いができればと考えています」

 そもそもパソコン教室を始めたのも「お手伝い」がきっかけだった。起業する前、OA機器販売会社で事務職を務めていた当時、パソコンの販売台数が徐々に増えていくのにつれ、購入客から「うまく使えず困っている」という相談が相次ぐようになった。事務の仕事で覚えたパソコンの知識を総動員してアドバイスを続けているうちに「これは仕事になるかも」と思い立ったという。この頃、政府が旗振りした「IT戦略」の下、全国各地でパソコン教室が花盛りを迎える前夜であり「まるで実績のない私たちにも需要がありました。運があったということです」と笑顔で振り返る。

 2005年に開校したIT専門学校も経緯は共通している。当初は日本の学生をメインとして考えていたが、既にITブームは去っており、思うように生徒は集まらなかった。そんな時、一人の留学生の熱意に打たれ、「勉強のお手伝いを」と受け入れたところ、評判が口コミで広がり、アジアの留学生が続々と入校してきたという。「将来、彼らが日本に必要な労働力を担ってくれたり、自国に帰って活躍してくれればうれしいですね」と声を弾ませる。

 「コンピューターのように正しい答えをすぐ出すことより、答えまでの過程を大切にしていきたい。何年たってもお客様に寄り添うスタイルだけはずっと続けていきます」