ひざつき製菓(株) 代表取締役社長 膝附武男氏 

「米心伝菓」の理念掲げて

 栃木市の本社工場隣に「武平作 栃木本店」が開店し、1年が経過した。広い緑地を望むイートインコーナーは、休日には家族連れでにぎわい、平日には女性客がくつろぐ。「和」の雰囲気に包まれ、玄関の正面には理念とする「米心伝菓」の額が掛かる。「とにかくお客様においしく感じていただけるように、注文をいただいてから目の前で焼いたり揚げたりする“できたてキッチン”を設けました」。思い描く理想図をすべて注ぎ込んだという。

 創業は大正12年。「武平作だんご」をはじめ、自社商品を直接販売する店舗販売と、伝統の米菓を商社を通してスーパー・コンビニなどへ卸す流通卸の2本柱で業績を伸ばしてきた。店舗販売で「作る」ことへの職人的なやりがいを求め、流通卸を通して安全安心や効率性を実現。「両者が補完し合って、双方のお客様により高いレベルのおいしさと、当たり前の安全をお届けできると思っています」と基本方針を語る。

 昨年末、宇都宮若草店を改装。今年は小山店のリボーンを目指す。今後の店舗展開でも、日本の心をつなぐ「米心伝菓」を基礎に、「歳時記」「和の素材」を盛り込む考えだ。米の心と菓子の技で和と洋を結ぶ「結菓」にも心を砕く。流通卸部門では「食品安全システム認証FSSC22000を取得しました。小売業の皆さんの期待を裏切らないようスキルを磨きたい」と強調。「オーナーシェフが馴染みのお客様に抱く熱い思い入れ」と、「大手に引けを取らない安全安心レベル」の両立を追求する。

 マニュアル的なサービスは、急速に進むAI(人工知能)やロボット化に置き換えられてしまうと指摘する。こうした状況を乗り切るためには、思いを高く掲げ、感性を磨く必要もある。東京五輪後の2021年を目指し、今年4月から18年~20年の中期経営計画が始まる。「絞り込むことによる深さと、売り上げの拡大を同時進行させる取り組みを始めたい」と決意を述べた。