宮島醤油(株) 代表取締役副社長 宮島礼二郎氏 

ギョーザ映画から新商品

 しょうゆは日本人にとって食の原点ともいえる味の基本。美しい海岸線を持つ玄界灘の港町・佐賀県唐津市でしょうゆ・みその醸造所として創業以来136年間、唐津に根付いた企業に成長してきた。「去華就実」(外面的な華やかさを捨て実質あることに専念せよ)という社是は、最後の唐津藩主小笠原長国(おがさわらながくに)の後継者長生(ながなり)が、創業者の宮島傳兵衞(みやじまでんべえ)に与えた言葉とされる。この社是の下、しょうゆ、みそだけでなくレトルトカレー、スープ、焼肉のたれ、パスタソースなど幅広く手掛ける食品メーカーに成長した。 

 2000年、東日本の生産拠点として宇都宮市清原工業団地に宇都宮工場を設立。レトルト食品や缶詰などを生産している。3年前は「宇都宮野菜餃子(ギョーザ)カレー」を発売。JR宇都宮駅や宇都宮餃子会の「来らっせ」などでお土産用として販売している。「この商品は宇都宮工場で働いている従業員のアイデアが実現した商品です」と話す。

 この「宇都宮野菜餃子カレー」がきっかけになって、宇都宮餃子会と交流が始まり、ついに6月に公開予定の「ギョーザの街・宇都宮」を舞台にしたラブコメディー映画「キスできる餃子」に協賛することになった。

 「ギョーザが映画になると言われ、どんなものかまったく想像もできませんでしたが迷うことなく話に乗りました。宇都宮ギョーザが盛り上がるなら当社もぜひ参加したいという思いでした」

 協賛するだけでなく、食品メーカーとして何かできることがあるのではないか、と考えた。そして、主人公がギョーザ作りにうまくいかず、苦労するシーンをヒントにギョーザの具でスープ、カレー、まぜご飯の素を試作。今春これらの加工食品を販売する。「18年は宇都宮で存在感を高める年にと考えています。新商品はギョーザではないけれど、ギョーザの味がする不思議な食品です。ぜひ試してください」とPRする。