(有)フルサワ自動車販売 代表取締役社長 古沢稔氏

先読みで変革期に備え

 自動車業界は今、「百年に一度」と言われる変革期を迎えている。次世代モデルの電気自動車(EV)は、ガソリン車と違ってエンジンに関わる精密な部品が不要となる。このため、従来の工場や関連企業が必要なくなる一方、技術的なハードルが下がり多業種から容易に参入できるようになると予測されている。EVシフトの到来は、メーカーのみならず、ディーラーなども含む産業構造を大きく揺るがしかねない。

 「すぐにEVの時代が来るわけではありませんが、今から準備しておく必要があります。設備投資に対応できる体力を付け、お客様を増やしていく努力も欠かせません。今年からは、特に宣伝力を強化していく一年にしたいと考えています」

 トヨタ車を中心に全メーカー車を扱っている。2000年の会社立ち上げ時から、常に「10年先」を見通した的確な一手を心がけてきたという。15年に鹿沼市内の住宅街に開設した本社兼店舗もその一環だ。木材をふんだんに使い人目を引く斬新な外観だけでなく、若い家族連れのための授乳室の設置や、愛犬を連れての来店に対応したドッグラン設置も販売店として画期的な試みだった。

 本社兼店舗の開設時から顧客のタイヤを無料で預かって保管するサービスを続けている。「値引きは限界に来ているので、さまざまなサービスを向上させることで、幅広いお客様に選ばれる店を目指していきます」と言葉に力を込める。

 尊敬する人から教えてもらった言葉である「共存共栄」は、ビジネスに限らない。昨年は地域貢献活動として、鹿沼市と上都賀総合病院に車椅子を寄贈。今年も「地域の皆様に喜んでいただけるような活動を準備中」という。

 「自分の会社だけ良くなればいいという考えが一番良くない。業界や地域の人たちを巻き込み、連携していくヨコ社会を実現したいですね」。その目は、変革期の先までしっかりと見据えている。