(有)飛行船 代表取締役 桶田正信氏

復興支援の旗振り続ける

 本業のリサイクルショップに加え、東日本大震災の被災地支援のボランティアに奔走する日々。高く飛び続ける「飛行船」のエネルギーとなっているのは、社会の現状に対する義憤にほかならない。

 「被災地の復興は遅々として進まず、全国各地に避難している福島の人たちは理不尽な差別に遭って苦しんでいる。日本という国は一体どうなってしまったのか」。淡々とした語り口に強い感情がにじむ。

 大震災発生直後から、東北の被災地に自社の畑で栽培した野菜や多くの支援者から提供された物資をワゴン車で届けるプロジェクトや、被災地である釜石(岩手県)の物産店の運営などを通して支援活動を続けている。昨年12月には、鹿沼店の道路を挟んだ約200坪の敷地に「復興食堂 ゆめ広場」をオープン。東北の漁港から直送のホタテ、カキ、ワカメなどを食材に使ったレストランで、店内のテレビで被災地の復興の様子をビデオで流し続けている。「三陸海岸で採れるホタテは刺し身もいいけど、あちらの名物のホタテ焼きが最高。おいしく食べながら被災地に思いを寄せてもらえれば」と好々爺の笑顔になる。「僕らの活動は、砂粒のように小さなものかもしれない。でも応援の旗を振り続けることが、絶望感に陥っている人たちに勇気を与えると信じています」

 リサイクルの仕事を始めたのは、「足尾鉱毒事件を歴史に刻む栃木県は、自然環境保護の発信地であるべき」という強い思いからだ。その傍ら、鎌倉時代から続く古流居合道・國府流の道場「郷学館」と、無双直伝英信流の道場「英信館」の館長を務め、武道を通して引きこもりの若者や家庭内暴力の被害者の「再生」の手助けを続ける。

 「世の中に悩める人、苦しむ人は限りなく存在します。そうした赤の他人のために、時間も身体も金も、ためらいなく使える人間になりたい」。まだまだ「飛行船」のエネルギーが尽きることはない。