小山すぎの木クリニック 院長 朝倉伸司氏

患者目線で生きがい追求

 患者の生きがいにつながる医療が、すぎの木の目指す理想だ。「患者さんの症状の管理や、家族の負担軽減のためにも、当院だけで完結できる医療を目指しています」。そのために着手した深夜透析、デイケア併設、院外スタッフの充実など、あらゆる取り組みにおいて思いやりがあふれている。

 国内患者数1千万人以上となり「国民病」と言われる糖尿病は、さまざまな合併症を引き起こす。その一つで腎機能が低下する糖尿病腎症の患者は増え、透析患者も増加傾向にある。透析は週3回の処置を余儀なくされ、仕事も余暇も制限せざるを得なくなるのが現実だが、就寝中に処置する深夜透析なら「透析がハンディキャップにならずに済みます」。患者は年々増えており、現在23人の患者が利用している。昨年から始めた海外の透析患者を受け入れる旅行透析も、軌道に乗っている。特に韓国、台湾との結び付きを強めており、旅先でも安心して透析が受け入れられるように韓国や台湾の大学病院などと協定を結んだ。「患者さんも携わる医療スタッフもそれぞれの国の透析の実態を知ることは有意義で、中でも世界トップ級の日本の透析技術を知ってもらえることは国際貢献だと思っています」。その他、数多くある診療科目でも近隣の大学病院などの専門医が外来診療を行い、高水準な医療の提供に努めつつ、MRI、CTといった最新の機器もそろえ「ワンストップ診療」を可能にしている。

 一方、透析患者の、虚弱による引きこもり、ロコモティブシンドローム、さらに認知症へという負のスパイラルにも目を向ける。「医療施設として透析が済めば終わりではなく、アフターケアが重要」。併設したデイケア施設「Waki愛愛」には、理学療法士などのスタッフも常駐し、「リハビリを通して、地域の高齢者の健康増進にさらに貢献したい。その他にも患者さんを思えば挑戦したいことはいっぱいあるんですよ」と一途な思いを口にする。