(株)村上 代表取締役 村上龍也氏

大きく動き出す宇都宮

 「宇都宮の中心市街地に人が戻ってきた」という声を聞く機会が最近増えてきた。平日の夜、仕事帰りや若い人のグループがオリオン通りを歩いている姿が目立つようになった。2004年、活性化を目的とした「宇都宮屋台横丁」を開業して14年。空洞化が叫ばれていた中心市街地の活性化へのけん引役ともいえる存在として今も大役を担う。

 「今、宇都宮はやっと変わろうとしています。LRT(次世代型路面電車)や再開発事業などの核はこれからですが、飲食店出店やまちの仕掛けなど環境は大きく変わり始め、動き出しています」

 昨年は創業140周年を迎えた。1877(明治10)年、肥料商としてスタートし、石炭・石油販売業へと成長。初代の村上浜吉(むらかみはまきち)氏は宇都宮商業会議所(現在の宇都宮商工会議所)の設立発起人でもある。中心市街地の石町(現二番町)が創業の地であり、中心市街地の活性化には強い思い入れがある。

 「昔、JR宇都宮駅前の田川沿いや宮の橋周辺、釡川沿いにはたくさんの屋台があり、粋な宮っ子の『伝統的庶民文化』でした。そうした地域の大切な文化を次の世代に引き継いでいきたいのです」

 基本精神は「変化」と「挑戦」。「大衆と共に生きるサービス業」として、同様に庶民文化の一つである「銭湯」にも着目。1998年から2000年に温浴施設の「宝木之湯」「宇都宮の湯」を開業した。「自分たちは何をやるのか、ということをぶれずにやっていくことに尽きると思うんです。ただし、商売のやり方が急激に変化し、物質的な豊かさを求めた昔の商売で当たり前だったことが、豊かな時代に入り、物を売り買いするだけではお客様が満足できなくなっています」

 LRT、市街地の再開発など時代の変わり目にさしかかろうとしている県都宇都宮。さらに「いちご一会とちぎ国体」、東京五輪などのイベントへの準備期間ともいえる2018年は「動き出す宇都宮の大きな流れをより強大に推し進め、その波に乗ることです」と力を込めた。