(株)マスケン 代表取締役会長 増澤鉃也氏 

心に響く家づくりを訴求

 この冬、念願だった新社屋の工事にこぎ着けた。既に敷地約4千平方メートルの造成が始まり、2月には建屋に着手。「いちご一会とちぎ国体」に向けて整備が進む県総合スポーツゾーンの入り口前という注目度の高い立地だ。「これは単なる社屋ではありません。マスケンのいわば集大成とも呼ぶべき作品に仕上げたい」。創業25周年を迎える年に完成するビッグプロジェクトに口調も滑らかだ。

 設計は、「日本を代表する建築家・伊東豊雄(いとうとよお)氏に師事した」宇都宮出身の建築家・篠崎弘之(しのざきひろゆき)氏。一部2階建ての平屋造りで宇都宮環状線沿いは、高さ5メートルという巨大ガラスを用いたガラス張りとし、建物周りのウッドデッキも2メートルオーバーハングさせた斬新なファサード(正面)の社屋を予定している。

 新社屋完成を前に「1ランクアップを目指そう」と、同社初となる展示場も宇都宮市戸祭地区に建築、企業のブランディングにも着手。那須在住のデザイナー・坂内雄二(さかうちゆうじ)氏と共に「LIVE.MASUKEN 心に響く家づくり」を策定した。家づくりのプロセスそのものが「ドラマティックで、ハイクオリティー」だと訴求していく。「お客様の個性を具現化したひと言では語ることのできない家造りで差別化を図っていきます」。また、デザイン性だけでなく住宅性能の向上も怠りなく追求している。

 今年で50歳。25歳でマスケンを創業してから一心不乱で走ってきた四半世紀。「五十にして天命を知る」と言うように「自社の利を追うだけでは経営者ではない」との思いに至った。金融機関の評価をもらい、2回目となる社債を発行し「こどもの未来応援債」として県立宇都宮工業高校に大型扇風機4台を寄贈したり、老舗建築資材卸・シノザキの協力でオリジナルブランドである県産材のヒノキ「桧粋(ひすい)」を使用した住宅を手掛けるなど、地場産業の活性化にも力を注いでいる。「ようやくわが社も『会社』らしくなってきたのかな」とつぶやいた。