山一化学工業(株) 代表取締役社長 関谷憲弘氏 

ニッチ分野で日本一を

 工業用有機溶剤の製造販売のエキスパートであり、常に新製品の開発に取り組み続ける。「ニッチな分野で日本一を目指します」と力を込めた。

 1952年の創業以来、工業用有機溶剤、プラスチック成形用副資材、食品用アルコール製剤、塗膜剥離剤など時代の流れに応じた事業の多角化を進めてきた。特に近年の好業績をけん引しているのが塗膜剥離剤の「バイオハクリシリーズ」だ。老朽化した鋼道路橋や鋼構造物は再塗装を行うことで耐久性が向上するが、従来のやり方で塗装を剥がすと有害物質の飛散などさまざまな問題が生じる。

 しかし、同社の「バイオハクリシリーズ」は、古い塗装を膨らませて剥離するため、古い塗装が飛び散ることはない。周辺環境や作業員への負担が軽減されるのが特長だ。古い建築塗装の中にはアスベストなどの有害物質が含まれているものもあるため、近年特に注目を集めている。

 3カ年計画の最終年だった2017年、目標の売上高128億円を上回る130億円を売り上げた。今年から始まる新3カ年計画では145億円を目指す。

 この好業績を受け、1994年に建設した大田原市品川台工業団地にある「那須工場」では2019年に第5製造棟を新設する。さらに西日本に新しい事業所を作り、東京・上野の本社も上野の別のビルに移転、さらなる飛躍の年にしたい考えだ。

 人手不足の時代、人材確保にも力を入れる。「人を集めるにはまず、知名度アップが大切」と那須工場のある大田原市の「大田原マラソン」では出場選手に社名のロゴが入ったユニホームを支給。さらに「芭蕉の里くろばねマラソン大会」でも協賛スポンサーになった。地域に根差した企業として存在感を示しつつ、事業多角化を推し進めていく。「那須工場を拠点に全国展開し、工場の地元大田原市でも存在感のある企業を目指していきます」と力強く語った。