(株)井上総合印刷 代表取締役社長 井上加容子氏 

「業界を元気に」本格始動

 準備期間と位置付けた2017年。その時にまいた種が、やっと芽吹いてきた。「枝を剪定(せんてい)するのか株分けをするのか。しっかりと見据えながら丁寧に育てていきたい」

 今年は本格始動の一年となる。

 「効率を上げ、高品質の商品を」との考えの下、昨年11月に新しい印刷機「菊全判H−UV8色両面印刷機」を県内で初導入した。両面同時印刷により効率化が図れるほか、乾燥時間が不要なため納期の大幅な短縮も実現。また細部にわたって色の設定ができるので、高品質な印刷が可能になった。

 昨年11月には、宇都宮の街なかに「Cafe(カフェ)ink(インク)Blue(ブルー)」をオープンした。気軽に立ち寄れるカフェスペースのほか、店内には2つのレンタルスペースを用意。システムキッチンが付いた部屋では料理教室、グランドピアノが設置された部屋ではライブなども開催できる。「このカフェをアンテナショップと位置付け、いろんな事業を展開していきたい。夢は膨らむばかりです」と笑顔を見せた。

 県内の広報誌がWeb上で閲覧できる「TOCHIGIebook(イーブック)s(ス)」は2市を残して契約が結ばれた。開始から2周年となる2月までに残りの市とも契約を結び、さらなる展開を考えていく。

 昨年、栃木県印刷工業組合に所属する企業の中から、廃業する会社、倒産した会社も出た。そうした中、同社の井上光夫(いのうえみつお)会長が組合の理事長に就任した。「とにかく業界を良くしていかなければ」との強い使命感を持っている。紙文化を残していくため、業界立て直しに取り組む。

 久しぶりの大型投資となった印刷機の導入も、業界全体を考えての決断だった。「ネット印刷を使うのであれば、地元の印刷会社に頼んでほしい」との思いもある。「同業者を含め、幅広い皆さんに利用して頂き、業界全体を盛り上げていきたい。印刷会社は元気なんだというところを見せたいですね」