(株)渡辺有規建築企画事務所 代表取締役 渡邉有規氏 

お客様の理念を形にする

 今年6月に節目の30期を迎える。昨年暮れには中期経営計画を策定した。「経営年度方針を着実に実行し、足元を固めながら新たなステージに挑戦する準備を進めています」と決意を新たにする。マンションの設計から始まり、飲食店舗、医療・福祉、幼児教育施設、官公庁など、常に社会に求められる建物を送り出してきた。昨年1年間も高齢者福祉施設や幼稚園、保育園、障がい者施設などを数多く手掛けた。

 「お客様は皆、素晴らしい経営理念と夢を持っていらっしゃいます。その思いを共有しながら形にするのが私たちの務めだと思っています」

 社内には「福祉」「官公庁」「医療」「保育園・幼稚園」など八つのプロジェクトがあり、各分野を徹底的に研究し、最善のプランを提案する。蓄積したノウハウを生かし、コンサルティングまで行う企画力が大きな強みだ。街づくりを意識した設計は、毎年のように何らかの賞を受賞。昨年は佐野市内の「認定こども園 犬伏幼稚園」が「佐野市水と緑と万葉のまち景観賞」に、足利市内の「足利いずみ幼稚園」が「足利市建築・景観賞」に輝いた。

 「お客様はその建物に命を懸けているといっても過言ではありません。その気持ちにお応えするには、設計者も命懸けで取り組む必要があります」。そのための人材育成には最大限の力を注ぐ。今月から若いスタッフを対象に建築技術の基礎を学び直す勉強会を開催する。デザインについては社内にプロジェクトチームを設け、全社員が集まって議論を交わす場をつくっている。

 一方で働きやすい環境の整備にも心を砕く。社員旅行では世界の著名な建築物を訪ねることが慣例になっている。昨年は米国のピッツバーグ郊外にあるフランク・ロイド・ライトが手掛けた「落水荘」を見学してきた。「素晴らしい建物です。街、人、未来をつくる私たちの仕事は、感動が基礎になければならないと思っています」と結んだ。