宇都宮証券(株) 代表取締役社長 菊地正敏氏

三資源生かし栃木を覚醒

 一世紀の歴史と信頼、中堅証券会社の情報力、そして地銀の強固なネットワーク−。その三つのリソース(資源)をフルに生かすかじ取り役を任された。「『冬眠』しているに等しい個人資産などを『覚醒』させ、栃木を元気にしたいのです」。新生・宇都宮証券の初代社長としての決意を語る。

 全国的な地銀再編、銀証連携・融合という流れが進む中、宇都宮証券は昨年4月、栃木銀行と東海東京フィナンシャル・ホールディングスとの合弁会社となり、栃銀グループの証券会社として生まれ変わった。「お客様からも『良かった。さらに安心感が増した』と歓迎されています」と目尻を下げる。連携の効果は確実に数字にも表れており、栃銀の紹介による預かり資産残高は昨年9月末で約32億円に上り、早期に1千億円の大台突破を目指す。新規口座も2017年度上期は600口座を超え、下期もその実績をクリアする計画を立てている。

 約1800兆円の国内の個人資産のうち、半分以上は預貯金といわれているが、そこを投資、資産形成へと促す証券リテラシー(ある分野に関する知識・能力)を進めることで、政府の掲げる「預金から資産形成へ」という流れにも貢献する構えだ。その点でも栃銀との連携を取る。既に2度のセミナーを共催、さらに人事交流や、共同での新規店舗の出店も計画している。

 栃銀で38年。いつも営業の最前線にいた。専務を経て、退職後は協力会社・栃木実業の社長に就き「ここが安住の地」と思っていたところへ、栃銀からの白羽の矢が立った。「頼られるうちが花」と快諾し「誠実、奉仕、親和」という栃銀スピリットで走ってきた。「今は投資環境のいい状況にあります。その上、つみたてNISA(ニーサ)=積み立て型少額投資非課税制度=が始まり、株や投資に対し、一般のお客様もポジティブになってくれるはずです」と期待する。