(株)木の花ホーム 代表取締役 早乙女正氏

信頼の基盤は「現場力」

 「土曜、日曜は近隣に配慮し大きな音の出る作業はしない」「1日5回は清掃をする」など、木の花ホームの現場には、100項目以上の協力会社との約束がある。全ては自らが大工として得た経験則によるものだ。「大工の技も大切ですが、細かい配慮の一つ一つが木の花の商品。若い職人にも厳しく指導しています」と、信頼最優先という姿勢は崩さない。

 信頼のバロメーターの一つに、「お客様の紹介件数」があるが、同社では新築一戸建て物件の約5割が、建て主OBや業者の口コミによるものだと言う。恒例の「感謝祭」には毎年、延べ100組以上が来場し、マイホームを検討している人や、建て主OBらが、共に交流を深め「木の花の魅力」を認識する場となっている。昨年11月現在で1125棟、リフォーム・外構事業部のカラーズで5千件を超えた。「件数を追うことはしていません。この数字は住まいの質を追求することで、おのずと付いてきた数字だと思います」と、創業からの16年を謙虚に振り返る。また、今年はさまざまな顧客のニーズに応えるため、企画住宅のラインアップも強化していく。

 昨年11月、那須塩原市で開催された技能五輪の建築大工競技に、同社の若手社員3人が、県を代表して前年に引き続き出場。「上位入賞はなりませんでしたが、全国のレベルが分かったでしょうし、いい経験になったはずです。こうした競技を通じ、常に緊張感を持ち、現場に立ってほしい」と親心をのぞかせる。

 その3人が所属する同社の大工養成課は、5年前に伝統的大工技能の継承と、人材確保のために始めた取り組みだが、昨今の建築現場における人材不足が取り沙汰される中、徐々に注目度が増している。「昨年は、遠くは九州など全国から同業他社が視察に来ました。それだけ、人材不足・技術継承の必要性が全国的に問われている証しだと思います」。自らの基礎となった大工職への恩返しのためにも職人育成には力を注ぐ。