東武商事(株) 代表取締役 小林増雄氏

規模拡大膨らむ信頼感

 「ぜひ一度、うち(の工場)を見に来てください」。これが、東武商事の営業マンの決めぜりふだ。同社初となる廃棄物焼却施設「那須総合リサイクルセンター」の操業開始から5年目。汚泥などをリサイクルする「那須環境センター」は丸10年がたつ。関東最大級の処理能力を持つプラントとして大手数十にも上る排出事業者からの大きな信頼を得てきた。「那須塩原の両プラントは、すっかりわが社にとって事業の根幹となり貴重な存在に育ちました」と感慨深く語る。

 常に同業他社とは異なる発想の下で挑んできた。「『東武さん、何考えてるんですか』と、言われるほど。でも、こういう経済情勢だからこそ、どんどん新しいもの、インパクトあるものを打ち出していかねばならない。今こそチャンスなんです」と強気だ。そこには産業廃棄物処理業界をリードし、よりよいリサイクル事業を通して循環型社会の構築を目指すという使命感がある。

 今年12月には、本社のある埼玉県松伏町の「松伏スマート・リサイクル・システムズ(仮称)」が完成する。同社既存の水処理施設の約10倍、1日約700トンという処理能力を持つ、これもまた「関東で最大規模の最新のプラント」。2019(平成31)年の春、本格稼働を予定している。総工費は約80億円に上り「社運を懸けた事業。今年一番過重のある仕事になります」と気を引き締める。一方で「これにより当然、商圏の拡大も図れます」と展望。昨年は北陸の大手・製菓会社との3年越しの交渉も実を結んだ。

 しかし、規模が大きければ大きいほど、操業には細心の注意を払わねばならない。毎週必ず「安全講習」を行うなど、自ら埼玉県の環境産業振興協会の会長を務めるだけに強い責任感を持つ。「毎日、うるさいほど言っています。安全対策にやり過ぎはありませんから」と言う。排出事業者だけでなく、那須塩原という第二の故郷からの信頼を得るためにも「安全対策」は事業の根幹となる。