AIS総合設計(株) 代表取締役社長 佐々木宏幸氏

広域展開と発注者支援を

 本県での開催は42年ぶりとなる2022年の「いちご一会とちぎ国体」の舞台となる総合スポーツゾーンの新スタジアムと新武道館の設計を手掛けた。「栃木県のシンボリックな公共施設となる建造物です。人の流れや光、音など周辺環境に配慮して設計しました」

 「建築設計業界をめぐる環境は過渡期にある」と語る。手書きでの図面からCAD(コンピューターを使った設計)に変わった。さらにBIMへと時代は進化していると言う。BIMは3次元の建物のデジタルモデルに、コストや管理情報などの属性データを追加したもので、設計から施工、維持管理までを把握できるシステム。「かつてCADで製図していた時代は、お客様は設計事務所の好みや信用などで依頼をしていましたが、BIMでは設計からメンテナンスまでが把握できます。設計事務所だけでなく、施工業者の仕事にも影響が出てきます。早急に対応していかなくてはなりません」

 公共施設の設計では数多くの実績を残している。最近では那珂川町庁舎、佐野インランドポートなどを手掛けた。県内だけでなく、東北地方や首都圏などでも積極的に事業展開する。「今、東京は小学校などの教育施設の建て替え時期になっていて、仕事の依頼が増えています」

 本県を代表する二つの建築コンサルタント「荒井設計」と「鈴木公共建築設計監理事務所」が14年9月に合併して誕生したAIS総合設計は、個人の設計事務所が多い中、50人の建築士を抱える。規模の大きさでは国内でも有数という。「規模が大きくなると医療、公共、教育などジャンル分けしますが、うちはあえて分けず、オールラウンドで設計できるようにしています」と話す。

 今年のテーマは「広域展開」と「発注者支援」だ。「広域展開」では、東日本に新たな営業所を設立。「発注者支援」は企画から工事、完成、メンテナンスまで含めたトータルコーディネートを強化していく。