【ロンドン共同】ラミー英法相は2日、イングランド、ウェールズ両地方で陪審裁判の件数を大幅に削減する司法制度改革案を発表した。8万件近い陪審裁判の開始が遅れており解消を目指す。有罪となった場合に3年以下の刑が想定される事件を陪審裁判の対象外とすることで、約4分の1の削減が見込まれるという。議会に法案を提出する。
改革案では、3年以下の刑期が見込まれる事件について、裁判官のみで審理する仕組みを創設する。殺人やレイプなどの重大犯罪は従来通り陪審裁判となる。
英政府は、現行制度では裁判開始まで数年待つこともあり「被害者に苦痛を与えている」として、改革の必要性を訴えている。
英メディアによると、2020年の新型コロナウイルス流行で陪審裁判の遅延が深刻化。その後も性犯罪、強盗、薬物関連の事件が増え、審理が追いつかなくなっている。
審理の遅れにより、被告が刑務所に長期間勾留され、多くが満員状態となっている。刑務所職員の負担が増え、受刑者の監視や教育がおろそかになるなど運営にも深刻な影響が出ている。
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