ハッブル宇宙望遠鏡で2016年に撮影した火星(NASA提供)

 火星に置いた時計は、地球の時計より1日平均で100万分の477秒速く進むとの計算を、米国立標準技術研究所(NIST)が1日、発表した。重力の小さい場所では時間が速く進むという相対性理論に基づき、地球より小さい火星の重力のほか、地球、太陽などとの位置関係を考慮し算出した。

 米国は現在進めている国際月探査「アルテミス計画」の先に有人火星探査を構想する。今回の計算は、人類が火星に進出し、惑星間の高度な通信ネットワークを構築する際に役立つとしている。

 NISTの研究者は今回、火星の表面の1地点を基準に選び、重力を算出。太陽や地球、月の重力の影響も考慮し、地球との違いを計算した。