大阪メトロ中央線が運転見合わせとなり、大屋根リングの下で休憩する人たち=8月14日午前1時8分、大阪市此花区の夢洲

 大規模地震発生を想定した帰宅困難者対策に関する政府指針の改定案が2日、判明した。地震以外でも、大型イベント開催時の鉄道やバスの運休に備え、事前に来場者の代替輸送手段を確認するよう主催者や交通事業者、自治体に求めることなどを盛り込む。大阪・関西万博開催中、地下鉄がトラブルで運転を見合わせて多くの来場客が足止めされた教訓を踏まえた対応。内閣府は3日の有識者検討会で改定案を示す。

 改定案では、運休に伴う帰宅困難者を減らすため、公共交通機関が運行している地域や、周辺の一時避難施設への輸送が有効と指摘。一時避難施設には水や食料に加え、スマートフォン利用者向けに可能な範囲で電源を提供するよう求めた。多言語での情報発信も必要とした。

 遠隔地で地震が起き、津波警報が発令された場合の対策も追加。日本への津波到達までに一定の時間があることを踏まえ、通勤や通学を取りやめたり、早めに帰宅させたりするよう企業や学校に呼びかけるなど、交通事業者や自治体が取るべき行動を列挙したタイムライン案を内閣府が提示する。