寄付者の年収と寄付上限額の例

 政府、与党は、ふるさと納税制度で寄付した際に、住民税から差し引かれる控除額に上限を設ける方向で検討に入った。現在は高所得者ほど控除額が大きく、高額の返礼品を受け取れるため「金持ち優遇」との批判がある。与党税制調査会で議論し、2026年度税制改正大綱に盛り込む方向だ。関係者が2日、明らかにした。

 ふるさと納税は、故郷などの自治体に寄付すると、2千円を除いた額が税から差し引かれる。控除額の範囲内であれば自己負担2千円で、返礼品を受け取れる仕組み。

 控除の対象となる寄付額の上限は、年収や家族構成などに応じて増える。政府の試算によると、年収300万円の場合は年2万8千円の寄付まで。1千万円では18万円、1億円では438万円、10億円では4524万円までとなっている。

 高所得者を狙った返礼品も増加。関係者によると、寄付額500万円以上が対象の純金製小判や、3千万円以上のスーツ仕立券もあるという。政府、与党内では「金持ちの節税対策になっている」と批判する声が強い。