滋賀県の安土城跡で新たに確認された石列=2日午後

 織田信長が築いた安土城跡(滋賀県近江八幡市、東近江市)で「令和の大調査」をしている滋賀県は2日、天主台の東側にある「本丸取付台」とされる場所で、新たに大規模な建物の礎石を確認したと発表した。専門家は、本丸から天主台に向かう動線部分の建物の可能性を指摘した。

 県によると、建物の柱を据えるための直径80センチ程度の礎石がこれまでに21個見つかり、未確認の建物があったと判断した。礎石は熱を受けて赤くなって割れており、県は「安土城が落城した際の火災の影響ではないか」としている。

 今回の建物と、過去の発掘で確認した別の大型建物を仕切る石列も見つかった。

 京都大の山岸常人名誉教授(建築史)は「東西30メートル、南北10メートル程度の大規模な建物があったことが明確になった。天主への動線は今回確認の建物の中を通る可能性があり、価値の高い成果」とコメントした。

 6日午前10時~午後3時に現場を一般公開する。荒天の場合は7日に延期する。事前申し込みは不要だが、入山料(大人700円、小中高200円)が必要。