9人が死亡した中央自動車道笹子トンネル(山梨県)の天井板崩落事故で、トンネルを管理する中日本高速道路(名古屋市)が、社員から集めた事故原因に関する意見をまとめた内部資料を、昨年末に初めて遺族に公開していたことが2日、同社や遺族らへの取材で分かった。同日で発生から13年となり、遺族は社の対応の遅れに不満をあらわにした。

 資料は36ページにわたり、57項目の「『事故の原因・背景』と考えられること」を列挙。事故の翌月に集めた社員の回答を基に、当時の社内の状況や改善策についてまとめた。「大がかりで複雑な補修や多額の費用を伴うものは先送りになることが多い」などの回答が記されていた。