クマ対策の切り札としてドローンや人工知能(AI)を駆使した技術開発が進む。秋田県五城目町のドローンスクール「Dアカデミー東北」は、山中や住宅街に潜むクマを検知、自動追尾するシステムを製作。位置情報はスマホで共有可能で、26年中の実用化を目指す。
使用する機体は夜でも写る暗視機能付きカメラと温度を測る赤外線カメラを搭載し、継続飛行は最大約1時間。監視を後続機に引き継ぎ、バッテリーが切れる前に基地へ自動帰還する機能もある。
離陸や初期探索は操縦士が担う。目撃情報を受けて現場周辺を飛行して映像を送り、AIソフトウエアが解析、クマを検知すると自動操縦に切り替わり追尾する。位置情報はGPSで緯度経度を取得し、スマホの専用アプリを使って行政や警察、猟友会などとリアルタイムで共有する。
最大のポイントは体の大半が隠れ、目視では判別が難しい状態でもクマと認識するAI技術の開発。今春には秋田県北秋田市の動物園「くまくま園」と協力し、ツキノワグマとヒグマをさまざまな角度から撮影しディープラーニング(深層学習)で精度を高めた。
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