李方子さんの初節句に贈られた雛人形

 【さくら】朝鮮・李王朝最後の皇太子に嫁ぎ、戦後は韓国の社会福祉に貢献した李方子(りまさこ)(1901~1989年)の雛(ひな)人形が、卯の里の甘味処京源で公開されている。人形師として著名な初代永徳斎(えいとくさい)の作で、2月2日から始まる「氏家雛めぐり」を前にした先行公開となる。

 雛人形は、皇族梨本宮(なしもとのみや)家の長女として生まれた方子さんの初節句に、母方の祖父鍋島直大(なべしまなおひろ)侯爵(1846~1911年)が贈ったものだという。内裏雛・親王雛や三人官女、五人ばやしにさまざまな道具類がそろった歴史を感じさせる品だ。

 東京の青梅きもの博物館の所蔵。同館の鈴木啓三(すずきけいぞう)館長(63)と京源の佐藤幸司(さとうこうじ)社長(68)には親交があり、雛めぐりの開催に合わせて貸し出された。

 鈴木館長によると、箱書きには梨本宮家を表す「梨奥」、方子さんのお印「菊下」が記され、鍋島家にも同じ初代永徳斎作の雛人形が伝わっている。

 初代永徳斎は京都の御雛屋の江戸店を任され、明治維新後に独立。日本橋に店を構えた東京を代表する人形師といわれる。宮中や上流階級から人形づくりの依頼を受けたという。

 鈴木館長は「方子様が韓国に渡る前に家財を処分されており、その時に人手に渡ったのでは」と推測する。同館へは、東京・世田谷の篤志家が寄贈した。

 佐藤さんは「初代の永徳斎の作品で今も残っているものは非常に少ないそうです。歴史ある雛人形を皆さんに見てもらえれば」と話している。同店は1月中は第2、第4水曜と日曜が定休。観覧無料。雛めぐり期間中(2月2日~3月3日)は、毎週水曜が定休。(問)同店028・682・8064。

【末尾編注】