「罪が成立するか分からない。この公判で誠実に説明します」。26人が犠牲となった知床の観光船沈没事故で、業務上過失致死罪に問われた運航会社社長の桂田精一被告(62)は12日、釧路地裁での初公判で、被害者への謝罪を口にしながらも、自らの責任については姿勢を変えなかった。白いマスクを終始外さず淡々とした姿に、家族らは厳しいまなざしを向けた。
午前10時過ぎに入廷した桂田被告。被害者の家族や裁判官に向かって頭を下げてから証言台に立ち、はっきりした口調で「桂田精一です」と述べた。起訴状が朗読されると、時折肩が上下するほかは身動きすることなく、静かに聞き入った。
「間違いないですか」と裁判長が尋ねると、数秒間沈黙した後に紙を取り出し「亡くなられた方々に心からご冥福をお祈りします。家族の皆さまに心からおわびします」と読み上げた。
朝の冷え込みの中、地裁では開廷2時間前から13席の傍聴券を求め、80人が列を作った。「被告の言葉を聞きたい」。公判での真相究明を望む声が上がった。
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