栗田美術館にフレディが来館した際の写真。栗田館長は「誇らしい」と話す=9日午後、足利市駒場町

 1970~80年代を中心に日本でも大ヒットした英ロックバンド「クイーン」の軌跡を描いた映画「ボヘミアン・ラプソディ」が県内でも人気だ。上映開始から2カ月たった今も、映画館に多くの来場者が訪れている。改めてCDも注目され、販売店は「爆発的な売れ行き」と驚く。故フレディ・マーキュリーが生前に訪れていたという足利市内の美術館には、話を聞きつけたファンが足跡を求めて来館している。

 宇都宮市インターパーク6丁目の映画館「MOVIX宇都宮」では昨年11月9日から上映を始めた。関心が高まるにつれて来場者は増え、ピークの昨年12月中旬から今年1月上旬は満席になることも多かったという。担当者は「通常、時間がたつと来場者は減っていくが、いまだに好調だ」と話す。

 「いま最も売れているアーティスト」。同市陽東6丁目のCDショップ「HMVイトーヨーカドー宇都宮」の担当者は、クイーン関連のCDの売り上げに驚きを隠せない。同店は、劇中の曲を盛り込むサウンドトラックやクイーンのアルバムを集めた特設コーナーを設置。20代の若者から全盛期を知る50、60代まで幅広い世代が買い求めている。

 日本文化好きでも知られるフレディは1986年、足利市駒場町の「栗田美術館」をプライベートで訪れていたという。同館の栗田俊英(くりたとしひで)館長(58)によると、同館創立者の故栗田英男(くりたひでお)さんの案内で、伊万里焼などを鑑賞した。

 栗田館長は「(フレディは)コレクションを見てとても喜んでおり、『売ってくれ』と言われ、やんわりとお断りしたと聞いている」と話し「伝説のロックスターが来ていたことは誇らしい歴史」と喜ぶ。

 上映後、インターネットなどで来館していたという情報が広まり、クイーンファンの来館や問い合わせが増えているという。栗田館長は「焼き物を知らない人が足を運んでくれている。このきっかけを大切にしたい」と、映画がもたらした波及効果に感謝した。