傾聴ボランティアとして患者に寄り添う加藤さん

 5回に及ぶがんと闘いながら四半世紀にわたってがん患者らの傾聴ボランティアを続ける宇都宮市桜5丁目、加藤玲子(かとうれいこ)さん(77)の闘病記を出版しようと、有志でつくる実行委員会は21日、クラウドファンディング(CF)を始める。委員らは「日本人の2人に1人ががんになる時代。発症したとしても、前向きに生き抜いている人がいることで安心してもらいたい」と支援を呼び掛けている。

 加藤さんは46歳で胃がんが見つかり、胃を5分の4切除。2年後に乳がんで右乳房とリンパ節を切除し、2004年には右肺に転移した腫瘍を摘出した。さらに肺がんを2度再発。胸膜や縦隔リンパ節などへの転移も見つかっている。

 闘病を続ける一方、25年前に鹿沼市の上都賀総合病院で傾聴ボランティアを始めた。「当時はがんを告知しない時代で、悶々(もんもん)としている人が多かった。誰かと話をしたいと思っている患者さんがたくさんいた」と振り返る。

 その3年後には済生会宇都宮病院緩和ケア病棟での傾聴ボランティアにも参加。17年からはがん患者と家族の会「たんぽぽの会」の会長も務め、精力的に活動している。

 がんとともに明るく強く生きる加藤さんの姿に感銘を受けたボランティア仲間が闘病記出版の実行委員会を組織したのは昨年10月。丹生英昭(たんじょうひであき)実行委員長(71)は、「加藤さんのような存在を知ってほしい」と力を込める。がんを正しく理解する重要性を実感できる本にするため、医師や看護師も参加している。

 加藤さんは「やっかいな病気だと思うけれど、がんと仲良く生きたい。自分の経験が少しでも役に立てたら」と笑顔を見せる。

 本は4月に1千部発刊予定。CFサイトは「ファーボ」。目標額は250万円。3月21日まで。(問)丹生実行委員長090・4012・4966。