狩猟免許を取得して5年目の市村さん(写真=右、昨年12月27日午前、那須塩原市)と動物の気配に五感を研ぎ澄ます山本さん(写真=左、昨年12月29日午前、鹿沼市)

 県内でも増えている女性の狩猟免許所持者。猟銃やわなを駆使し、イノシシなどの野生鳥獣と向き合う危険や社会的責任が伴う活動に、積極的に取り組んでいる。「食害を減らし、地域の役に立ちたい」「生態系の循環に貢献したい」。亥(い)年の今年、ここ数年で免許を取得した県内の「狩りガール」2人が意欲を新たにしている。

 「今年は作物の被害が少ないねって近所の人から言われると、うれしい」。2014年秋、散弾銃などを扱う第1種銃猟免許と、わな猟の免許を取得した那須塩原市塩原、農業市村(いちむら)さやかさん(46)は話す。

 栽培する高原大根などの食害が深刻化し「何とかしなきゃ」と思い立ち、夫と一緒に免許を取った。最初の冬は1頭も仕留められなかったが、狩猟仲間の指導で徐々に腕前は上がった。訓練の一環で参加したクレー射撃では、今や全国大会に進むまでになった。

 地元の小学校にイノシシが出たと聞けば駆除に加わり、夏場は山に張ったわなを毎日見回る。農作業や別の仕事との両立は簡単ではないが「今年もとにかく事故なく、地域に貢献したい」と意気込む。

 かすかに響く鳥や獣の気配に耳を澄ませる。「こうしていると、人は狩りをする動物だと何となく感じる」。昨年12月下旬、鹿沼市内の山林で同市上粕尾、林業山本久美子(やまもとくみこ)さん(38)は狩猟の魅力を、こう表現した。

 シカによる森林被害が多発する中、「もっと人と動物が良い関係になればいい」と17年秋、第1種銃猟免許とわな猟免許を取得。鳥をメインにしているが、有害鳥獣駆除でシカやイノシシも追う。仕留めた獲物をトラックに積み、解体するのは一苦労という。ただ両親ともハンターで、その姿を間近に見てきただけに狩猟の世界に抵抗感はない。

 自然観察会などを通して自然との共生について啓発する自然観察指導員も務める。「楽しいからではなく、必要だから撃つのが狩猟。命を止める営みだと忘れずにいたい」と語った。