「昭和」に続く元号として「平成」が発表されたのは、ちょうど30年前の1月7日である。当時の小紙には「平和がイメージできる」という歓迎の声から「頼りない感じ」といった冷めた見方まで、県民のさまざまな反応が紹介されている▼平成の世がスタートした翌8日は、「1・1・8」の日付印をはがきや台紙に押そうと、多くの人が郵便局に詰め掛けた。「天皇一色のテレビより、映画やアニメ」と、レンタルビデオ店がにぎわったのも世相を反映したニュースだった▼元号は古代中国から伝わった慣習で、日本では645年に「大化」が使われたのが初めてである。247番目の平成は、史跡足利学校が所蔵する国宝「尚書正義(しょうしょせいぎ)」に典拠となる言葉がある。天地の安定や平和の願いを表している▼安倍晋三(あべしんぞう)首相は4日の年頭会見で、次の元号を改元の1カ月前の4月1日に公表することを明らかにした。元号は国民が共有する時代の名でもある。可能な範囲で選定の過程を公開することはできないだろうか▼「中国の古典ばかりでなく、そろそろ日本の古典を典拠とすることを検討してもいいのではないか」。史料編さんの専門家からはこんな意見も出ている▼今は漢字2文字に限られているが、将来は「ゆめ」「きずな」といった、日本らしいひらがなの元号があってもいい。