18メートルのベンチ、思い出の校庭に 閉校の那珂川・馬頭西小 

18メートルのベンチ、思い出の校庭に 閉校の那珂川・馬頭西小 

 【那珂川】小砂(こいさご)の馬頭西小が閉校になった31日、校庭に長さ約18・5メートルの木製ベンチが設置された。最後に通っていた児童38人全員が横一列に並んで座れるほどの長さだ。「地域の大切な場所にずっと残る物を」と、札幌市立大大学院デザイン研究科博士後期課程2年船山哲郎(ふなやまてつろう)さん(26)らが地元のスギや石材で制作した。この日は児童も作業を手伝い、ベンチに腰掛けて母校での思い出を心に刻んだ。

 船山さんは岩手県玉山村(現・盛岡市)出身で、地域の風景や環境などを生かして創作する環境芸術が専門。2017年9月に島根県出雲市で開かれた学会で作品を発表した際、小砂地区で開かれている「KEAT(キート)小砂環境芸術祭」の関係者に声を掛けられた。

 同12月中旬に初めて小砂を訪れ、「日本で最も美しい村連合」にも加盟する里山の風景が「古里と重なり、すごく気に入った」。馬頭西小が統合で閉校されることも知り、「何かを作りたいと考え、子どもたち全員が座れるベンチを思い付いた」と話す。

 素材に地元の木を1本そのまま使うことを決め、3月下旬から制作に着手。地区内に滞在しながら、地域住民などの全面協力を得て山林で切り倒した樹齢約50年のスギ(長さ約23メートル、直径約50センチ)を校庭に運び、皮むきやかんな掛けなどの作業を連日進めた。

 同校最後の日となった31日は児童や卒業生、保護者、教職員ら約80人が集まった。児童らが紙やすりでベンチを削って滑らかにした後、全員で記念写真を撮り、校庭に笑顔があふれた。