新しい年が始まった。今年の干支(えと)「亥(いのしし)」にちなんだ話題では、10年目を迎えた那珂川町の特産品「八溝ししまる」が面白い。八溝山系の野生イノシシの肉を、町が開設した県内唯一の「イノシシ肉加工施設」で処理している▼折からのジビエ(狩猟肉)ブームなどにも乗って、2017年度の販売額は初めて1千万円を突破した。農作物被害の軽減を図り、地域資源として活用する狙いは軌道に乗りつつある▼野生鳥獣による県内農作物被害が拡大する中、イノシシは獣類全体の6割近くを占める。人間の側から見れば困った存在ではあるものの、イノシシの側にも言い分はあるだろう。捕獲だけではなく、すみ分けに向けた知恵も必要だ▼今年は「平成」が幕を閉じて新元号がスタートする。12年12月から続く景気拡大は今月で戦後最長を更新しそうだが、「実感がわかない」というのが大方の国民の感想ではないか▼外国人労働者の受け入れは一層拡大し、10月には消費税の引き上げが待ち構える。人口減少や少子高齢化が日本を直撃し、米国発の貿易戦争の行方など国際情勢も混沌(こんとん)としている▼4月に統一地方選、7月には参院選が予定される。世の中の動きと政治は不離一体である。実際は用心深いというイノシシに倣って、自分たちの生活のありようをじっくり考える年にしたい。