1回戦の若狭東戦でスクラムを組む国学院栃木高の石母田選手(中央)=28日午前、東大阪市の花園ラグビー場

 東大阪市の花園ラグビー場で熱戦が続く第98回全国高校ラグビー大会に出場する国学院栃木高で、特別な思いを胸に大会へ臨む選手がいる。宮城県女川町出身の3年生フッカー石母田健太(いしもだけんた)選手(18)。2011年の東日本大震災で津波に自宅がのみ込まれ、祖母は現在も行方不明のままだ。「大変な時期でも競技を続けさせてくれた。活躍する姿を見せたい」。家族への恩返しを誓い、30日の2回戦に挑む。

 震災時は小学5年生。教室で授業を受けており、校庭から近くの丘へ避難した。「黒い波が来た」という誰かの声が聞こえた。津波が近くの川を逆流。のみ込まれた自宅の中に祖母和子(かずこ)さん(80)=当時=がいた。そこからは段ボールで間仕切りした避難所や仮設住宅での生活続き。「今日をどう生きるかで精いっぱいだった」