透析者の体力強化に善処

 

 高齢者の医療を取り巻く話題の中で、「フレイル」(虚弱)という言葉がクローズアップされている。筋力の衰えが進むサルコペニアなど、体力だけでなく、活力の低下もその部類に入る。「高齢者、特に透析患者はフレイルに陥りやすく、『予備軍』も含め、何らかの虚弱を抱えているのが現状です」と警鐘を鳴らす。

 透析患者には糖尿病の患者が多いが、体内のリン濃度を低く保つため、タンパク質などの摂取は制限される。そのため筋力が衰え、フレイルになってしまう。「ただでさえ高齢になると粗食になりがち。透析の患者さんも含め、しっかり食べて、しっかり運動、そして透析です。腎臓に悪影響を及ぼすリンの増加も危険ですが、虚弱はさらに危険」。腎臓の専門医という立場から、小山すぎの木クリニックには、腎臓病に対する設備が充実。CT(コンピューター断層撮影装置)、MRI(磁気共鳴画像装置)や体液測定装置(インボディ)などの最新の検査機器だけでなく、2014年に開設した「腎透析ステーション」、さらに退院後の透析患者のリハビリ、パワートレーニングのためのマシンが充実したデイケア施設「Waki愛愛」があり、増え続ける高齢者のフレイルにも対処できる。

 同じ透析治療でも、時間を掛けて行える夜間透析は、リンの排出といった点でアドバンテージがあるという。全ての透析患者が受けられるものではないが「おかげさまで好評です。夜間透析が可能なブース・個室は40ありますが、そろそろ数が追いつかなくなるでしょう」。県内唯一で、全国でも30カ所しかないため、患者は県外からも治療を受けに来るそうだ。外来にはCKD(慢性腎臓病)外来、腎・泌尿器外来も設け、自治医科大学、国際医療福祉大学などの教授にも入ってもらうなど、「腎臓病に関しては、スピードと高いクオリティーで対応できます」と自負する。地方にあっても、市民のために最善を尽くす専門医としての矜持(きょうじ)をうかがわせた。