大きなヤマが来る一年

 

 創業者の藤井石松(ふじいいしまつ)氏が、鍛冶業の「藤井屋」を始めたのが1883(明治16)年。そこから1世紀以上の年月を経て、国内屈指の電設資材商社へと成長した。1991年にはジャスダック市場に上場し、従業員は約700人、六つの関連会社を傘下に持つグループ企業となった。グループの連結売上高は、今年3月期(65期)の予想では約750億となっており、「順調に推移しており全体の戦略としては、1千億円企業を目指しています。今年は東京五輪・パラリンピック関連施設、宇都宮市西川田の総合スポーツゾーンなどの工事が完工していく時期。大きなヤマが来る一年です」と気を引き締める。

 経営者として常に時代の変化を読みながら戦略を練ってきた。太陽光発電設備を核とした「環境ビジネス」は20年の実績があり信頼を勝ち得てきた。昨年は北海道帯広市に最大出力4・4メガワットの発電所を手掛け、県内では益子町内に新たな施設が新年早々に完成する。ただ、電気の固定価格買取制度(FIT)の見直しなどの影響もあり「ピーク時の5分の1まで落ちています。しかしそこをネガティブに捉えず、新しい価値、新しい仕事づくりに取り組んで行かねばなりません」と前を見据える。

 同社の事業は「電設」、「産業システム」、「施工」が3本柱になるが、今後はこれまで培ってきたエンジニアリング力を生かし、IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)を生かしたソリューションを提案する事業に心血を注ぐ。多くの顧客となる製造業の現場は、人材不足という課題を抱えており「AIやロボットの導入でますます省力化は進んでいくはずです」と、より一層提案型の営業を仕掛けていくつもりだ。昨年7月、埼玉県入間市に営業所を開設。栃木発祥の老舗だが、「自社単体の売り上げは県内が6、県外が4の割合」となっている。「チャンスがあれば海外にも打って出たいと思っています」と、1千億円企業を目指し商圏拡大にも意欲を見せる。