プロ集団が吹かせる新風

 

 「すべてはお客様のために」と臨む一年になる。あらゆる商売で大切な理念だが、マスケンのそれは少し違う。今年は消費増税が待っており住宅産業界も、駆け込み需要で翻弄(ほんろう)されることは必至。「それに右往左往させられることはない」ときっぱり断言。「いい会社は、いい仕事を持っている」というのが持論。家という単なる器ではないハイレベルな「建築」を望む客層をつかんでいるからこそ言える言葉だ。

 昨年9月に創業25周年を迎えた。節目のシーズンに全社員は「ダッシュ」を掛けた。既に始まっている増税前の駆け込み需要もあり上期だけで、前年度を上回る契約を結んだ。「ただ、現在は着工まで少々お時間を頂いております。現場の監督・管理ができない状況では、いい仕事はできないし、粗製乱造ではお客様のためになりません」と言う。

 また同社が初めて構えた独自の住宅展示場も評判だ。宇都宮市松原3丁目の日光街道沿いに、親子4人家族を想定した2階建て住宅で、和モダンな意匠の中、内庭も含めた開放感のある心地よい空間だ。「『これがいい』『全く同じ家を建てたい』という声まで頂きました。うれしかったですね」と相好を崩す。春、夏、秋の3度にわたって開催した展示会には、予想を上回る来場者があった。特に、秋の見学会は2日間で約50組、80人が来場。立地の良さもあるが、自社設計による「和モダン」なデザインが狙った客層の心に響いたようだ。

 懸案の新社屋(宇都宮市西川田)は、2018年内に竣工(しゅんこう)を目指していたが戸建ての受注増で「お客様物件を最優先」したため、今秋にずれ込みそうだ。施工管理の外部委託も検討した。しかし、「四半世紀を経たマスケンの記念事業、『工期はかかっても自社施工で』と言う全社員の意見を尊重しました。その熱い思いに期待感が、一層増しています」。保守的な考えの強い地域で「新風を吹かせる」のはマスケンの社員であるとあらためて確信した。