未来から顧客価値を創造

 

 「米菓」と「和菓子」の二つの製造部門と、「店舗」と「卸」の二つの販売チャネルを持つ。「私どもはまず正味のおいしさをつくるメーカーです。小売りは作ったものをおいしく感じていただくためのサービス業です」。その上で、流通卸を社の生き残りをかけて競い合う男性的な「左脳」に、店舗を顧客に喜んでいただくためにという母性的な部分を担う「右脳」になぞらえた。「左脳と右脳が支え合ってこそ社業が成り立ちます」と基本姿勢を語る。

 2020年度までの中期経営計画初年度の本年度、卸は大幅に売り上げを伸ばし、1年前倒しで目標を達成する勢いだ。店舗は2年前にオープンした栃木市の本店、改装した宇都宮市の若草店が極めて順調に推移。一方で不採算店舗1店を閉めるなど整理も行った。機会を捉えて鉄道の駅など「交通系」への出店を必須ステップとして決定したほか、来年春には小山店のリボーンを予定するなど、着実な将来計画を描く。

 小売業の業態間競争が激化する中、メーカーは価格競争に応えるため工場の増床や機械化を進めている。これに対し、人の手を加えることができるクリエイティブな商品の開発をやっていきたいと卸の分野での方針を示す。「製販の一致された意思が成すスピードがわが社の持ち味。それを生かしていきたい」

 業界全体は前年比100%を超え続けているが、路面店は前年比90%を切る状況にある。今後の店舗展開には「ものプラスαのおいでいただく理由」が必要と分析する。「目の前で作って提供する『できたてキッチン』、豊かな時間が過ごせる空間、日本の稲作文化を伝える『米心伝菓』の精神。これらを兼ね備えた店づくりを目指します」。数年をかけ、栃木市の本店、小山市、宇都宮市にも武平作としてのフル装備の店舗を構える計画だ。「AI化や自動化が進む中、人の心の穴を埋める“心のビタミン”的存在でありたい」と菓子の役割を強調した。