ニーズに応え挑戦続ける

 

 設計を手掛けた医療施設は既に250件近い。医療分野のエキスパートとして業界で確固たる地位を築いているが、近年の活躍の舞台はそれにとどまらない。昨年4月、東京進出の足場となる事務所を渋谷区に構え、新たにホテルを柱とした観光分野への挑戦も始めている。

 「会社に十分な体力があるうちに東京に進出したいと考えていました。観光分野に限らず、時代を捉えて、常にチャレンジし続けていきたいと考えています」

 その言葉通り、今年も「檜山ならでは」と称される、固定観念にとらわれない斬新な建築物が数多くお目見えする。専門の医療分野では4月、木造の透析クリニックが宇都宮市内にオープン。「透析クリニックにはいわゆる病院といった施設的なイメージの所が多いと思いますが、そこは木造にして温かみのある空間で透析が受けられるようにしています。透析中は横になっている時間が長いので、重要となる室内のまぶしさや空調についてもコストを考えながら最大限配慮しています」と話す。

 一方、「保育園待機児童ゼロ」への取り組みを進める宇都宮市において、保育園の新築と建て替え計2棟を設計。JR宇都宮駅近くの保育園の建て替えは今年着工で、従来の2階建てが「3階建て都市型保育園」に生まれ変わる。「限られた敷地なので、室内で遊べるスペースを確保するために3階建てにしました。宇都宮はベッドタウン的な要素もあり、例えば駅近くの保育園に子どもを預けて、そのまま東京へ出勤するお母さんたちに利用していただければうれしいですね」と穏やかな笑みを浮かべる。

 「自分の理想にこだわる設計士も多いですが、私がこだわりたいのはクライアントのニーズをしっかりと聞き、それをどう形にして提案するかということです」

 常にニーズに応えようとする真(しん)摯(し)な姿勢が、新たな挑戦につながり、「檜山ならでは」を生み出す。