黒子が挑む「百年」の航海

 

 2019年3月期決算は、売上高で初の200億円超え、営業利益は4期連続で史上最高益を更新する見通しだ。今年で創業73年目を迎える食品素材の国内トップメーカーは、「百年企業」を目指し、順風満帆な航海を続けている。

 「売上も利益も当初の予定を上回り、一つの目標だった200億円超えを果たせそうです。社長就任時から全社員と『百年企業』のキーワードを共有してきた中で、社業が良い方向で進んでいるので、今年もこの好調さを堅持していきたいと考えています」

 好調な業績を支えているのが、自社商品のカラメル製品や粉末茶だ。ほかにも即席めんの粉末スープ、昆布やかつおエキスの和風調味料、冷凍和菓子など商材は多彩で、得意先には誰もが知る大手食品メーカーが名を連ねる。他社からの受託商品ではスポーツサプリなどのヘルスケア関係が大きな伸びを示しているという。「私たちは黒子のような会社なので決して目立ちませんが、毎年、お客様のニーズに合わせて商品ラインアップを増やしています。よく『こんなものまで作っていたんですか』と驚かれます」と、食品業界の基盤を支えているという強い自負をのぞかせる。

 一方、海外では昨年2月に連結子会社化した中国の龍和食品の冷凍製品が予想を上回る好調な売上だったことも収益拡大に貢献した。今年は福建省の新工場が6月に稼働予定で、福州仙波と龍和食品の一体運営による中国市場の開拓強化を図る。さらに、2016年に設立したベトナムの販売子会社も現地の展示会への出品などを通してブランド育成に取り組んでおり「さまざまな情報が集まっていて、東南アジアでの営業戦略が固まりつつあります」と手応えを感じている。

 「『百年』の世界が見えてきた今、人材の育成が一番の底力になりますから、これまで以上に力を入れていきます」