信用と実績信頼と可能性

 

 「過去の信用と実績を未来の信頼と可能性に」。この言葉をポリシーに8年間経営の舵(かじ)を取ってきた。「顧客や金融機関、協力会社や社員との約束を守るように、一つ一つの信用を誠実に積み重ねる。それが未来の信頼と、新たなビジネスチャンスに繋(つな)がると考えています」

 創業70年。医療用注射針の製造で知られ、内視鏡処置具やカテーテルなどの手術器具、プリンターや電子機器、航空機など幅広い分野の産業用機器を製造。昨年6月に完成した栃木市の栃木工場前には、創業当時の注射針加工機「フレクションプレス」が飾られている。31歳で三代目社長に就任以来、8年連続で売上を伸ばし、黒字経営を継続。「先代がまいた種が実りました」と謙遜する。

 人口減少が進む日本でも、年間3兆円の医療機器市場では5年平均3%の伸び率。海外市場で年間40兆円の市場の伸び率は5%、ブラジル、中国、東南アジアでは10%以上。「そのくらいのペースで成長しないと時代に置いて行かれていると思わなければなりません」と語る。

 医療機器製造に特化した栃木工場では、既存製品の増産に加え、脳血管や心疾患手術用の血管内治療デバイス、消化器系カテーテルの量産を計画。「全国にいる数十人の超一流外科医師と共同開発しています。純粋に患者さんのために、より良い医療機器の開発に力を貸してくれる素晴らしい方々です。今後はより高度な医療機器の開発に挑戦したいです」と話す。

 社員数は、社長就任時の109人から220人にまで増えた。地元採用がメインで、20、30代の若手社員が増えている中、初代社長の代から勤務する社員も多い。「ベテランの技術力やノウハウを、いかに継承できるかが重要です。多様性を尊重し、老若男女を問わず優秀な人材を採用し育てたい。また今年は飛躍の年にしたい。そして先代が目指した、社員が定年まで勤めたいと思える会社を創っていきたい」と抱負を語った。