世界で使われるばね工場

 

 村田発條は、ばねづくり一筋に取り組み、世界的な専門メーカーに躍進を遂げた。自動車エンジンのバルブスプリングを製造してスタート。「これからも設計から解析まで一貫したスプリングの製造を追求していきます」。車の変速機の中に使われるダンパースプリングが売上の中心になりつつあり、名だたる世界のクラッチメーカーに製品を納めてグローバルな事業を展開する。

 「わが社のばねは、ほとんど皆さんの目には見えないところで使われ、いわば縁の下の力持ちなんです。村田のばねは自動車以外にもいろいろなところに使われています。現在、大型の新規受注に対応するために今年5月には本社にある古い工場を新築して新製品の製造を進めます」

 1913年創業の老舗で、2016年に県の「地域中核企業」に認定されている。また17年11月には自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格のIATF16949の認証を取得、国際競争力のある世界屈指のばねメーカーであることを証明している。さらに、経営や技術開発などに優れた中小企業を表彰する2018年度「グッドカンパニー大賞」の優秀企業賞の受賞が決定した。

 「現場で課長のころに『よその製品と違うものづくり』を考え『全数保証』を行いました。1個でも自動車メーカーに迷惑を掛けるものを出さないよう、製品の一つ一つを検査するやり方です。できたものを装置に掛け、部品のすべてが機能を満たす製品であるか全数確認し納入しました。自動車メーカーからは『村田のばねを使えば安心』と評判になりどんどん注文が増えました」

 現在、4千種類のばねを1カ月間に約4千万個、取引先に納めている。製品は非定期のものを含めれば9千アイテムにも上る。「栃木の地場産業としてこれからも会社名を変えずにやっていきます。従業員が自慢できるばねを作り、働きがいのある地場企業にしていきたい」