人と触れ合い、堅実経営

 

 親会社であるイートランドの社屋内に間借りする形で、2002年に創業。県内を中心に製造業や事務系を強みとした派遣業を展開。外国人雇用については、県内のパイオニア的存在でもある。「うちは大手ではないですが、個性溢(あふ)れる社員たちが失敗を恐れず自由に飛び回っています」と誇らしげに語る。

 「ありがたいことに多くの企業からさまざまなご依頼をいただき、人材発掘に奔走する日々」と、派遣スタッフ不足ではあるものの、経営は順調に推移している。「利益を上げれば、その分、従業員に還元したい」。そんな思いから、昨年4月には初の海外への社員旅行も実施した。

 しかし、ここに至るまでには苦難もあった。最大の試練は2008年のリーマンショック。「派遣切り」という言葉が報道で頻繁に使われるようになる中、ご多分に漏れず契約の打ち切りが相次ぎ、売り上げが2割も減少。その影響で、退職していく社員たちもいた。こうした辛い経験から「堅実経営」をモットーに業務にまい進。基盤がしっかり固まったと思えた2016年2月、「この先、どんなことがあっても従業員を守らなければ」と固く誓い、飲食店のフランチャイズ経営という新事業展開に踏み切った。

 「やよい軒」小山東城南店オープンを皮切りに次々に店舗を増やし、わずか3年で派遣業と同等の売り上げを出すまでに成長。今後も「毎年2店舗を目安にオープンしていきたい」と展望する。派遣業でも、今年は県内に営業所を新設する予定だ。

 50歳で地元の金融機関を退社し、机一つから会社を立ち上げた。派遣業についての知識などゼロからスタートして18年。「人とのつながりが私を救ってくれた」と振り返る。以来、感謝の思いは何年経とうが色褪(あ)せず、「従業員を守りたい」との思いが一層強くなった。「派遣業と飲食業。内容は違っても、やっているのは全て人間。どちらも人と人の触れ合いが大切なんです」