海外も視野に理想追求

 

 常に最先端の診断機能・治療設備をそろえ患者に高度な医療を提供してきた。画像診断センターが医療の中心になると考え、1997(平成9)年にセントラルクリニックを開院。以来「栃木の医療水準を高く保ち、この宇都宮に医療の中心をつくる」という気概を貫いてきた。

 2003年にはPET(陽電子放出断層撮影)、13年には女性専用棟を開設し、トモシンセシスという新型のマンモグラフィーと乳房専用PETのPEMも導入した。昨年は「トモセラピー」と「サイバーナイフ」の二つを備えた「放射線治療センター」を開設。その全てのトピックスには「県内初」の“枕詞(まくらことば)”が並ぶ。

 医師として、がんと認知症に重点を置く。「いずれも軽度なうちに発見し早期に芽を絶つことが大切」と言う。そのために最先端の画像診断装置が必要となるが「その分野で日本は、米国に比べると5年くらいは遅れている」と厳しい。また「放射線治療については、医師にも県民の間にも理解が深まっていない。もっと啓発していかねば」と意欲を見せる。

 3月にも次なる一手を打つ。デジタルフォトアカウンティングによる解像能力の高い「デジタルPET」を導入する予定だ。「被ばく量も半分で、薬剤も1度に40人分くらいシェアできるなどのメリットがある」と解説する。「しかし、これでもまだ、私の理想の医療の7割しか提供できていない」と目指す到達点は高い。さらにインバウンドにも着目し「日本で治療を受けたいという中国人にもアピールし、積極的に受け入れていく」と世界的な視野を持つ。

 免疫チェックポイント阻害因子の発見とがん治療への応用の研究が評価され、昨年のノーベル医学生理学賞を受賞した京都大学の本庶佑(ほんじょたすく)特別教授の講演を5年前に聞いた。「がんと免疫の関係性があらためて理解できて感銘した」と振り返る。「当院も今後のトレンドに注目していかねば」と「がん治療のゲートキーパー(門番)」を自認している。