地域に信頼される「砦」

 

 1887(明治20)年に薪炭(しんたん)業から始まり、今年で創業132年となる堂々たる老舗企業だ。4代目に当たる現社長が、1989年に「須山液化ガス」を立ち上げ、それまでの薪炭・灯油販売主体の事業から、LPガス販売主体の事業へと大きくかじを切って30年目の節目を迎える。

 「LPガスはライフライン事業なので、お客様とのお付き合いがずっと続いていきます。まさに地域密着ですし、こんな素晴らしい商売は他にないと思って一生懸命営業しました」。事業転換した当時を振り返り、柔らかな笑みを浮かべる。顧客わずか127軒からのスタートだったが、地道な営業活動が実を結び、地元の有力なハウスメーカー・建築会社と不動産会社などとの連携に成功。現在、顧客は2万数千軒に増え、営業地域も宇都宮市を中心に県内全域はもちろん近隣県まで拡大し、幅広い顧客を網羅している。近年のトピックスに2年連続の経済産業大臣表彰がある。2017年に社長が保安功労者として、翌18年には会社が優良販売事業者として受賞し「皆様のお陰で受賞し、社員共々喜びの年でした」と振り返る。「うちは43人の従業員全員が高圧ガス販売主任者の資格かガス整備士を取得しているのが強みです。家庭用燃料の安定供給に努めてきたことで、地域から信頼される存在になれたことも大きいと思っています」

 栃木県LPガス協会の宇都宮支部長を10年間務め、現在は同協会会長として4年目。電力、都市ガスの全面自由化でエネルギー間競争が激化する中、業界の未来を見据え、災害時におけるLPガスの「分散型エネルギー」「軒下在庫」「経年劣化しない」といった優位性を強くアピールしていく方針だ。「LPガスは有事の際の『最後の砦(とりで)』に位置付けられています。『環境に優しく、災害に強い』という素晴らしさをお客様にしっかり伝えていくことで、今後も地域社会から選ばれるパートナーとなることを目指していきます」