銀証連携へ着実な一歩

 

 今年も新たな心境で迎える一年となった。「新体制での初代社長となるわけですが気負うことなく、108年の歴史ある宇都宮証券をベースに、さらに身近な存在として、お客様の資産形成、運用のバックアップをしていきます」と決意を語る。

 一昨年は、栃木銀行と東海東京フィナンシャル・ホールディングスとの合弁会社になり、昨年10月には営業エリアの拡大を機に、社名を変更。栃木銀行の愛称と、東海東京の頭文字「TT」を組み合わせ「より一層の連携強化と、サービスの向上」を目指してスタートを切った。その第一弾となるのが埼玉県越谷市の越谷支店だ。「証券会社がより身近な存在に感じてもらえるはずです。さらには、これが初めての県外進出店舗ですし、いずれは県南地域にも栃銀と連携し徐々に布石を打っていきたい」と展望する。

 栃銀一筋38年、証券会社のトップに立って1年半で感じたことは、「リスクへの肌感覚は、銀行マンのマインドとは異なるものがある」ということ。また株式、投資信託といった主に「元本が変動する商品」を扱ってきた証券会社には「どこか遠い存在との印象を持たれるお客様も少なくないのでは」と見ている。「だからこそ銀行と証券会社のアライアンス(連携)を深化させることが重要」と語る。規制により相互の窓口は別になるが、より身近な存在の地銀の名前を冠したメリットは大きい。

 栃木銀行グループになってからの新規口座の開設は、昨年9月末で2446口、そのうち銀行からの紹介は2085口と「順調に推移していますが、まだまだ足りない」と首を振る。NISA(ニーサ)(少額投資非課税制度)誕生から5年、一昨年は積立NISAも誕生した。「これらの商品の理解を促して、裾野を拡大していきます」と力を込める。襟元に輝くのは、宇都宮証券時代の「us」のバッジ。「社名は変わっても、ここは変えない」と、1世紀にわたり地域に根差した先達に敬意を表している。