人間味ある技術者を育成

 

 AI(人工知能)などの技術革新が進み、目まぐるしいスピードで展開する時代になりつつある昨今「それでも建築現場は、人間的感性が大切な世界です。それはいつまでも変わらないし変えてはいけない」と語る。長らく大手ゼネコンの現場で腕を振るい、教壇に立って16年になるが、建築業界を担おうとする若者に傾ける情熱は衰えを知らない。

 「日建工科」の宇都宮校は、開校から四半世紀を過ぎ、建築設計科、建築インテリアデザイン科の卒業生は1700人を超え、社会で活躍し、就職率も開校以来25年連続100%を誇る。「充実したカリキュラムで確かな出口を用意することが本校の務め」と自負する。

 2014年秋からスタートした日本語学科には現在、香港、台湾、ベトナムなど7カ国の留学生が籍を置く。「やがては母国の発展に寄与したいと夢を持つ人材ばかり」と期待を込める。中には東京六大学に進んだ学生、本校での交流を通じ建築の道を歩みはじめた学生もいる。

 昨年11月、国会で出入国管理法改正案をめぐる議論がされている最中、「留学生の在留審査厳格化、資格交付一部で激減」などと報道されているものの、「本校の日本語学科は、申請書類の完全チェックはもちろん、海外での現地調査は一度も怠ったことはありません。今回の報道にあったような現状は、全てにおいて適切に対処している学校にとっては『フォローの風』だと受け止めています」とも語る。

 特別顧問でありながら、自らも週に2回、「建築施工」と「建築構造」の講義を行い、専門知識の習得もさることながら、「平成は不景気が続いたせいか、効率ばかり追い求める時代になり、義理・人情というものを忘れてしまったと思うんです」という熱い言葉とともに「心の込もった建築で建て主から、『ありがとう』と言ってもらえる技術者になってほしい」と、不景気が続いた平成最後の新年に、そう願いを込める。