基礎と臨床の連携を重視

 

 昨年10月、新学長に就任した。「加速する少子高齢化と人口減少、グローバリゼーション、急速に進む技術革新など、日本全体が大変革期を迎えています。医科大学として地域医療にどう関わるか、根本を考えなければならない時期にあります」と現状を捉える。その上で「学生、教職員、地域にとって魅力のある大学」「未来を拓(ひら)く良質な医療人育成のもと輝き続ける大学」を目指す。

 実現への指針として「『社会の変化』や『時代のニーズ』に迅速かつ柔軟に対応できる管理運営体制の構築」「財政基盤の安定」「魅力ある教育・研究・診療環境の提供と、夢のあるプロジェクト」「教育力・研究力・診療力アップによる高い評価」を掲げる。これらを展開する初年度にしたいとの意気込みが伝わる。教育面では基礎と臨床の連携の重要性を特に重視する。「基礎で上がってきた研究成果を臨床でどう生かすか、また、臨床での疑問点を基礎がどう解決するか。そうしたことができる研究システムをつくらなければなりません。カリキュラムについては、低学年の学生が医学の面白さ、難しさを早い段階で学ぶために、基礎だけでなく臨床についても学べる『垂直統合型カリキュラム』を構築していきたい」

 地域医療の面では、病院の機能分化が進む中、大学病院でしかできない高度な医療の提供に力を入れたいとする。高度先進医療の分野は、再生医療、ゲノム診療など目覚ましい発展を見せており、その成果を治療に反映させていく考えだ。埼玉医療センター、日光医療センターでも、それぞれの地域性に根差した課題に取り組んでいく。

 技術革新が進めば進むほど、心と心をどうつなぐかが課題になると指摘する。「学生たちには最先端医療の知識や技術とともに、高い倫理感や道徳観を養ってほしい。『医学は実学』との考えのもと、コミュニケーションの力を身につけてほしい」と若き医療人に期待を寄せた。