「多様性」で難局に挑む

 

 法曹人口の拡大を目指した司法制度改革により、全国的に「弁護士余り」の状況が続く。栃木県弁護士会でも会員数は改革前の2倍以上に増えているが、その現状をただマイナスと捉えるのではなく、むしろ「会員の多様性の増大」というプラス面に目を向ける。「理系出身者だったり、他分野からの転入など多彩な経歴を持つ会員は元々少なくなかったが、量的な拡大に伴い、さらに多様性が増しており、県民の皆さまのさまざまなニーズに応えられるようになったと思います。事件の種類も多様化している中、多様性を増した会員たちがさまざまな社会問題に弁護団を組んで対応するなど、新しい取り組みも増えています」

 法曹界は昨年から激動の渦中にある。昨年6月に「司法取引」制度がスタートし、来年4月には明治時代に制定された民法の120年ぶりとなる大幅改正が控える。さらに昨春から裁判手続きのIT化の議論も高まっている。「いずれも司法の実務に大きな影響を及ぼすものです。司法を利用する県民の皆さまのマイナスとならないよう、しっかり対応しなければなりません」

 一方、全国的に行政機関との連携が重要テーマとなっており、「私たちも県内各自治体との連携を進めています」と力を込める。日常的な法律相談はもちろん、災害時における法的な問題、成年後見人、未成年後見人制度への対応など実に幅広い。 「世の中のさまざまなトラブルに絡め取られて途方に暮れている人たちの足かせを解き、明日のより良い生活につなげるお手伝いをするのが弁護士の仕事です」。そして「経験したことのないピンチに陥っても、動じず問題解決の道筋を見いだすことが弁護士の必要条件だと思っています」と続けた。

 法曹界の未曽有の激変期。栃木県弁護士会は、「身近で利用しやすい弁護士、弁護士会」を目指し、真に頼りになる司法の実現のため難局に挑む。