健康長寿社会の実現へ

 

 国民の5人に1人が75歳以上となる2025年まで6年。国の将来推計人口によれば2048年には1億人を割り、2100年には5千万人を下回るとされており、日本の人口高齢化は急速に進んでいる。一方で平均寿命と健康寿命の推移は平均寿命・健康寿命ともに延びているにも関わらず、平均寿命と健康寿命との差は縮まらない状況にある。

 「歯科医師会は、これまで健康寿命の延伸に向け、さまざまな啓発活動を行ってきました。厚生労働省と日本歯科医師会が平成元年から始めた『8020運動(80歳になっても20本以上自分の歯を保とう)』は、20本以上の自分の歯があれば食事の際十分に満足ができ、生涯自分の歯で食べる楽しみを味わえるようにとの願いを込めた運動です」

 運動の達成者は開始当初7%程度だったが、現在は50%を超えており、国民運動としての成功ケースと言える。

 現在、「8020運動」を発展させるべく「オーラルフレイル(歯・口の機能の虚弱)」に着目し、その予防について啓発を図っている。

 「オーラルフレイル」は、歯や口の健康をおろそかにすることで、滑舌低下、食べこぼし、わずかのむせ、噛めない食品が増える、口の乾燥などのさ細な症状の口腔機能低下から始まり、その後、精神・心理状態、食・栄養状態、身体機能など多岐にわたって健康に影響を与える。さらに、低筋力や低身体機能などの「サルコぺニア(加齢性筋肉減弱症)」や、低栄養などによる生活機能の低下を招き、ひいては要介護状態に至るとされる。

 「誰もが生涯楽しく充実した生活を送り続けるためには、妊産婦を含めて生まれてから亡くなるまでの全てのライフステージにおいて健康な歯を保つことが大切です」。健康長寿社会の実現を目標に、国民一人一人に歯や口の健康の重要性を発信し歯科口腔機能の維持向上をこれからも提言し続けていく。