次の10年に向け常に前へ

 

 昨季の栃木SCは3年ぶりのJ2を17位で終え、最低目標とした残留をつかんだ。「J2はJ3よりも一つも二つも上のレベルで苦戦しましたが、地域とともに粘り強く戦って残留できたことは大きな経験になりました」。J3降格により7、8人ほど削減したクラブスタッフも昨年から増員した。「クラブを成長させられる能力を持つ」幹部クラスを数名確保。「昨年どうしてもやりたかったことの一つ。新たなスタッフがいろいろと経験でき、今年につながる一年になった」

 ホームゲームでの100種類以上の異なるイベント、フードメニューもより充実させるなど来場するファンの満足度向上に注力した結果、1試合平均の観客動員数は3季連続で増加し、昨季はJリーグ参入10年で最多となる5657人を記録した。

 今季やるべきことは明確だ。「デジタルマーケティングで来場者の情報を集めて最適化すること。今はシーズンパスポートを持つファンの顔は分かっても、初来場するお客さんの情報がなくクラブが二の矢を打てないんです。去年はその情報を取るための準備に充て、今年は実行してPDCA(計画・実行・評価・改善)を回します。スタッフには『ミスをしてもいいからやり切ろう』と」。常に前進する。そんな意味が込められたクラブフィロソフィー「KEEP MOVING FORWARD」も浸透しつつある。

 「周りから『仕掛けているね』とおっしゃっていただく機会が増えました。リアクションではなく、自らアクションを起こせる会社になってきたのかもしれません」。攻めの姿勢は崩さず、今年からチームにもフィロソフィーを掲げるという。育成年代からトップチームまで一貫したスタイル構築に取り組み、「お客さんが沸くサッカー」を提供したいと意気込む。

 「新たな10年に向けたチャレンジです。地域とクラブが一体となって作り上げたいと思います」