大木に集う仲間のために

 

 クラブの創設から20シーズン目を迎え、H・C・栃木日光アイスバックスは、国内トップリーグでの連勝記録を8に伸ばした。74年の歴史を持つ前身の古河電工アイスホッケー部時代でもなしえなかった記録。「たくましくなった。日本代表選手も増えているし、ここ数年の戦いぶりは評価できるね」と頬を緩ませる。

 シーズン序盤の昨年10月20日に開催した創設20周年記念式典の冒頭あいさつでは、スポンサーやファン、さらに古河電工にも深く感謝の念を表した。「チームを木に例えるなら、この日光には太い根っこが残っていたんです。もし古河の歴史が少しでも浅かったなら、この大木は枯れていた。そこを忘れちゃいけない」

 今季はバックス20周年だが、6年後の2025年には、古河電工アイスホッケー部の創部から100年という、さらに大きな節目を迎える。その間、国内ではラグビーW杯、東京五輪・パラリンピック、県内では「いちご一会とちぎ国体」が控える。「五輪はまだ来年と言うかも知れないけど、アイスホッケーは年またぎのスポーツ。僕らの勝負はもう始まっている」と言う。もちろん東京五輪にアイスホッケーはない。だが国内が世紀の祭典に沸きメディアの耳目が集まる中「僕らもスポーツ文化の振興のために働きかけたい」と語る。そうした発想のベースには「日本のスポーツ文化は、種目文化になっている。夏も冬も関係ない」という思いがある。「人口も減っていく中で、東京五輪の後はどうなってしまうだろうという危機感を持とうよ。生き残りを懸け、スポーツを通じた仲間をつくっていかなければ」と持論を展開する。

 願いを叶えるためにも、アジアの頂点に立ち、国内アイスホッケー唯一のプロチームの存在感をアピールすることが必要だ。レギュラーリーグも残り1カ月、行く末はまだ分からないが、優勝が何よりもの栄養素となる。大木に集う多くの仲間たちのために、チャレンジするのみだ。