白イチゴ、6年かけ王国に“結実” 1500株から「栃木iW1号」絞り込み

白イチゴ、6年かけ王国に“結実” 1500株から「栃木iW1号」絞り込み

 今年1月、県産新品種として約6年ぶりに品種登録出願となった白イチゴ「栃木iW(アイ・ダブリュー)1号」。白イチゴは2009年度、山梨県の民間業者が品種登録した「初恋の香り」が国内では初とされ、本県でも12年度から本格的に開発が始まった。“いちご王国”のラインアップに加わった栃木iW1号の誕生までの道のりを探った。

 「甘くておいしく、完熟キウイフルーツのよう。イチゴの形をした今までのイチゴにない味」

 1月29日、県庁で定例記者

会見に臨んでいた福田富一(ふくだとみかず)知事は、栃木iW1号をこう表現した。

 スカイベリーよりやや小ぶりで、酸味が少なく甘さが際立ち、食感は他の品種に比べてまろやかなのが特徴だ。果実が白色のため、熟しているかは、種が小豆色になることで判断するという。

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 栃木iW1号は11年11月のスカイベリー以来の新品種登録出願となった。誕生のきっかけは初恋の香りだった。開発した県農業試験場いちご研究所の石原良行(いしはらよしゆき)所長は「初恋の香りは、それまでになかった果実で衝撃だった」と振り返る。

 同研究所は当時、鮮やかな赤色のイチゴだけを目指して交配していた。赤色が淡いピンク色のイチゴを付ける株ができたが、その後は交配していなかった。

 ところが、初恋の香りが登場し、「贈答用に高単価で販売され、白いイチゴが消費者に受け入れられる事が分かった」(石原所長)。

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 栃木iW1号は初恋の香りの種子から育てた株を活用した。特に食味が良く固い果実を付けた株に、同研究所が保有する淡赤色で食味が良い果実を付けた株の花粉を掛け合わせた。

 約20通りの組み合わせの株の交配をし、6年間で1500株を生み出した。他の株と共に収量や糖度、耐病性などさまざまな特性を調査し、株の絞り込みを続け、栃木iW1号に結実した。